【1】自然災害とは
災害とは「自然現象が原因で人や資産が被害を受けること」
(災害リスク)=(原因事象の大きさ)×(被災しうる人や資産の数量)÷(防災・減災対策)
『天災は忘れた頃にやってくる』(地球物理学:寺田寅彦)
⇒時間がたつと、劣化により被災しうる資産は増大する
災害に対する意識(防災・減災のソフト対策)が薄れる
※マグニチュード(M):自身のエネルギー、Mが1増えるとエネルギーは約32倍
環境災害、複合災害=自然だけでなく人為的なものに起因
‘11年 福島第一原発事故
⇒東日本大震災によるレベル7(最悪)の原発事故
広域波及災害・人為的災害
‘79年 複合要因によるスリーマイル島(TMI)原子力発電所(アメリカ合衆国)の炉心溶融事故
⇒故障・設計ミス・人為的ミスが重なり、大きな事故に
‘86年 チョルノービリ原発事故(旧ソ連、ウクライナ)
⇒原子炉の設計上の特徴と誤った運転操作により核分裂反応が制御不能に
【2】地震・津波災害
プレート
海溝性地震:プレートの境界付近で発生する地震⇒津波の可能性
⇒海側のプレートが年数cm単位で陸側に移動し、陸側のプレートの下に潜り込み、それが跳ね上がるときに発生
内陸地震 :プレートの弱い部分(断層)で発生する地震
⇒内陸の岩盤のひずみが増加し、既存の割れ目(断層)が耐えきれなくなったときにずれることで内陸地震が発生
強震動による地盤の被害
・斜面崩壊
・液状化
・土構造物の崩壊
・その他、強震動による地盤の被害
強震動により構造物が破壊される3つの要因
1.強震動が構造物の耐震設計強度を超えたとき
2.強震動の周期が建物の固有周期と近いときゆれが増幅
3.震動継続時間が長いことによるスロッシング現象
地震発生予測(=EEW)
Primary Wave → Secondary Wave
最も大きな揺れはS波か、そのあとに遅れてやってくる表面波
津波は、波浪と違いその波長が数km~数百kmと長いため、海面から海底までの海水が一体となって運動する。そのため、同じ波高でもそのエネルギーはけた違いに大きい。
【3】火山災害
火山の分布⇒プレートテクトニクス理論により説明される。
沈み込み帯:形成された海洋プレートが大陸プレートに衝突し、その下に潜り込む地域
ホットスポット:火山活動が見られる地域
噴火のメカニズム:海嶺やホットスポットにおけるマグマの発生
火山の噴火による地震:火山性地震
火山災害の種類
・火山噴出物そのものの噴出・流下・堆積による災害。
火山岩塊、火山レキ、火山灰、溶岩流、火砕流、火山ガス
・火山噴出物が海洋,湖沼,河川などに突入して発生する泥流や津波
・噴火に伴って発生する地震・地盤変動・地形変化などによって引き起こされる二次的な災害
ピナツボ火山
火山性エアロゾルによって世界中の日照時間を長期間にわたり減少させ、世界中で異常気象が多発。日本では ’93年に戦後最悪の冷夏となった。
【4】地盤・地すべり・土砂災害
地盤災害発生のメカニズム
・粘土地盤の圧密沈下 圧縮による間隙水の移動
・砂地盤の液状化災害 ゆるい砂地盤がせん断力をうけ、土粒子骨格の崩壊
・地すべり 地震の揺れによるすべりの発生、雨による地盤の弱体化
・地盤環境災害 間隙水の移動に伴う地下水汚染や海域汚染
地盤沈下の対策
・粘土層にセメント等を混ぜ、沈下しない性状に変える。
・地盤上に載せるものを軽いものにする。
・粘土層の下にある沈下しない固い土層に杭を打ち、その上にものを載せる。
・建造物や道路をつくる前に、沈下させてしまう。
=バーチカルドレーン工法
⇒軟弱地盤の鉛直方向に排水材を設け、排水距離を短くすることで圧密沈下の促進、地盤強度の増加
せん断力の増大要因
1 地震
2 火山の隆起による斜面傾斜の増大
3 人工物による斜面上部での荷重増大
摩擦抵抗の減少要因
1 間隙水圧の上昇
2 風化や侵食による強度の低下
3 人工的掘削や河川侵食による斜面脚部での抵抗力減少
表層崩壊⇒斜面表層の風化物や堆積物の崩壊
深層崩壊⇒もっと深部の地質構造に起因した崩壊。地震や降雨で発生。
対策→山の荒廃や侵食を抑制する山腹土留工や植生工などが実施
スネークライン図→土砂災害警戒情報を発表するための基準
地すべりの対策工は,抑制工と抑止工に大別される.
• 抑制工:地下水や地形などの自然条件を変化させることにより地すべり活動を抑制
• 抑止工:構造物を用いて地すべりの滑ろうとする力を力学的に抑止する工法
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